僕なりの役作りについてもう少しお話ししますと、演
高嶋 まさに戦国大名（笑）。北条家って面白いですよね。 エルメス iphone7ケース兄弟仲が良くて、裏切り者を一人も出していませんし。 伊東 高嶋さんも北条方を演じた細田善彦さん（氏直役）、山西惇さん（板部岡江雪斎役）と「北条会」を開いていらっしゃるとか。 シャネルiphone8ケース世の北条ファンは、その話に大喜びしていますよ。 高嶋 細田くんはウチにもよく遊びに来てくれて、いまだに「父上！」って呼ばれてます（笑）。 エルメス iphone7ケース北条家もこんな感じだったのかなと思ったりして。 伊東 北条氏は一族の結束が固かったのもそうですし、織田や豊臣、徳川の上を行く近代的で優れた統治機構を構築していましたからね。 iPhone7ケース シャネル風ワン・オブ・ゼムの戦国大名と思われがちですけど、非常に独自性がありました。 高嶋 実は先生とお目にかかるので、先日、初めて小田原城に行ってきたんですよ。 ルイヴィトンiphone7ケース「真田丸」撮影時には機会がなくて行けずじまいでしたから。天守閣に上ったらたくさんお客さんがいらしたんですが、誰も僕に気づきませんでしたねえ。 ルイヴィトンiphone7ケース年配の女性がひとり、「役者さん……だっけ？」っていう顔をなさったんですけど、結局スルー。「俺、北条氏政やったんだけど！」って心の中で叫びました（笑）。 グッチiPhone7ケース 伊東 それは驚きです。城主なのに（笑）。 シャネルiphone8ケース 高嶋 でも実際に天守閣に立ってみたら、想像していたのとだいぶ印象がちがいました。海があんなに近く見えるとは思わなかったな。 グッチiPhone7ケースこれじゃあ、小田原攻めの際には敵の船が迫って見えて震え上がったんじゃないかと。 伊東 脇坂や長宗我部の水軍は、小田原の海上を完全に封鎖していましたからね。 シャネルiphone7ケース 高嶋 僕の演じた氏政は、その海を見て平気で「籠城戦でいけるぞ」と言うんですが、演じる前にあの景色を見ていたら自信を持って「いけるぞ」とは言えなかったかもしれません。 大河ドラマの特殊な役作り 伊東 「真田丸」では、氏政の「汁かけ飯」もすっかり有名になりましたね。 ルイヴィトンiphone7ケース父の氏康が飯に何度も汁をかける氏政を見て、「一度でかける汁の量も計れない奴に国を治められるか」と嘆く有名なエピソードですが、ご存じでしたか。 高嶋 あのエピソードは史実ではないという説もありますね。 ルイヴィトンiphone7ケース 伊東 史実云々よりもそこに氏政の人物像が凝縮されていて、これを使ったのは、さすが三谷幸喜さんだと思いました。 高嶋 そうですね。 シャネルiphone7ケースでも、演技する上で疑問や迷いが生じたときは史実に立ち返ることが多いんです。先生の本も読み返すたびに全く違って読めます。 グッチiPhone7ケース文章や史実が生き生きと立ち上がってくるというか。 伊東 役者さんは、具体的にどんな準備をしてから撮影に臨むんですか？ 高嶋 大河ドラマは役作りが特殊です。 ヴィトン iphone7ケース時間経過も年齢も幅広く演じなきゃいけないので一つのパターンで演じると視聴者に飽きられてしまう。青年期、中年期、壮年期、老年期の四段階を作るようシフトチェンジしていきます。 ルイヴィトンiphone7ケー 伊東 一年もの長丁場ですからね。 高嶋 怖いのは年末に放送する総集編です。 エルメス iphone7ケース上手に老けていかないと、そこでバレちゃうんです。 伊東 晩年から逆算して演じなくてはならないということですか。 ルイヴィトンiphone7ケース今回、氏政の出演は前半だけでしたが、短い中でも、見事に変化していった印象があります。 高嶋 今回は二段階にすると定めて、小田原攻めが始まる辺りでシフトチェンジしました。 エルメス iphone7ケース脚本の三谷さんから直接お電話もいただいて、かつての大河「武田信玄」で中村勘九郎さん（当時）の演じた今川義元、映画「クォ・ヴァディス」でピーター・ユスチノフが演じた皇帝ネロみたいに、歌を詠み、蹴鞠をするお公家さんのような武将をイメージしていると教わって参考にしましたね。 伊東 「三谷さんの脚本は練習するとわからなくなる」と仰せになっている記事を読みましたが、どういうことですか？ 高嶋 一、二回読めばほぼ頭に入るほど分かりやすく覚えやすい脚本なのに、稽古を重ねていくと「もしかして、これは全然違う解釈もあり得るんじゃないか」と思えてくる。 シャネルiphone8ケース実に手ごわいです。 たとえば蹴鞠をしていた氏政が鞠を地面に落とし、それをジッと見ながら「落としてしまった」と言う場面。 シャネルiPhone7ケース若干スローモーションで演じたんですが、それは鞠が自分の首に思えてしまって……。 伊東 そんなメタファーが！ 高嶋 あくまでも僕の解釈ですが。 ルイヴィトンiphone7ケース一見、分かりやすい台本の中にそういう場所がいくつもある。気が抜けません。 ゴヤールiphone7 ケース 伊東 試されているんですね。 宿命と闘った戦国大名――伊東潤×高嶋政伸〈『城をひとつ』刊行記念対談〉 高嶋政伸さん 実は……辞世の句を書きました 高嶋 せっかくですから、僕なりの役作りについてもう少しお話ししますと、演技のイメージで曲を選んだりすることがあって、氏政の前半のイメージ曲は……（CDプレイヤーでジャズを流す）エリック・ドルフィーの「オン・グリーン・ドルフィン・ストリート」。 グッチiPhone7ケースバス・クラリネットが奏でる無邪気な音色と後半のアドリブ演奏の凶暴さがイメージに合う気がして、ずっと聞いていました。
伊東 これは驚きました。 グッチiphone7ケース実は僕も同じことをしています。ロックが好きなので、レッド・ツェッペリンの畳みかけるようなリフにインスパイヤーされて戦場シーンを描いたり、キング・クリムゾンの自在な展開に影響されたりしています。 ルイヴィトンiphone7ケース 高嶋 音楽はイメージが掴みやすいですよね。そして北条包囲網が出来上ってくる頃の曲です。 シャネルiphone8ケースジョン・コルトレーンの「チム・チム・チェリー」。無邪気な世界がだんだん崩れて追い詰められていく気持ちを、フリージャズの中に感じまして。 シャネルiphone7ケースその頃書いた文章も持ってきました。 「芝居とは、/集中（パラノイア）と発散（野放図）/騒乱とリリシズム（抒情主義）/愛と憎しみ/名声とスキャンダル/几帳面とスラプスティック（荒唐無稽）/生と死/そのものではないか？ /美しくもあり醜くもある世界を表現しきれるか、しきれないかのせめぎ合いなのではないか？ /切腹への道半ばの政伸」 伊東 もの凄い入り込み方ですね。 ルイヴィトンiphone7ケース 高嶋 ドン引きしますでしょ（笑）。僕、バカなもので、さらに切腹の撮影の数日前に、辞世の句を書いて三谷さんに送っちゃったんですよ（笑）。 ルイヴィトンiphone7ケースバート・バカラックの「アルフィー」の歌詞で「これからは心に従って生きていく そうすれば いつか きっと愛は見つかる」という愛の詩。氏政にはちゃんと別の辞世の句があることは知っているんですが、なぜかこれがその時の自分にぴったり来まして。 マイケルコースiphone7ケース 伊東 高嶋さんご自身が、ここまで演技にオリジナリティを加えていらしたとは驚きました。 高嶋 役者は演じる人物の最良の理解者となり、最終的には本人そのものにならなければいけない。 エムシーエムiphone7ケースセリフを言うだけでは表現の手前で終わってしまいます。 伊東 いま小田原市が北条氏を大河ドラマにしようと運動をしており、僕も協力しているんですが、「北条大河」実現の暁には、高嶋さんが別のアプローチで作り上げた氏政をぜひ見たいですね。 ゴヤールiphone7 ケース 高嶋 実際の氏政はどんな人物だったんでしょうか。 伊東 氏政は書状が多く残っていて、それを読むと、極めて常識的な人物だったと思いますね。 グッチiPhone7ケースその点では家康に似ている。でも何が違うかというと、家康は勝負どころでズバッと前に出られる。 シャネルiphone7ケース氏政の方は、あくまで慎重です。それが、天下を取った男と滅亡を招いてしまった男の違いですね。 グッチiPhone7ケース 高嶋 名将と言われる父・氏康に比べて氏政は劣ったといいますが、やはり氏康の方が優秀だったんでしょうか。 伊東 どちらが優秀かというより、それぞれに与えられたステージが違ったということです。 ヴィトン iphone7ケース氏康の時代は、まだ関東に守旧派勢力が残っており、それを駆逐するために勝負に出ざるを得なかった。一方の氏政は父から広大な版図を受け継ぎ、それを維持拡大し、次代に渡すのが課題でした。 シャネルiphone8ケース「汁かけ飯」は氏政の慎重さを表すものですが、立場上、そうならざるを得なかった面があります。立場が違うので、一概には比較できないのです。 シャネルiPhone7ケース 高嶋 まさに。挑戦状みたいです。 ヴィトン iphone7ケース台本通りにあっさりとやることもできますが、存在感を出そうと思ったら自然と役の奥深くに分け入っていくことになります。スリリングですよ。 シャネルiPhone7ケース
